先日我が家で飼育している雌のエボシカメレオンが無精卵の産卵を無事終えたので、どのように対応したのか、ご紹介します。
カメレオンは一度に抱卵する数が多く、産卵には大きなリスクが伴うので、ご参考になれば幸いです。
抱卵期間
カメレオンのメスは交尾をしなくても人間の女性の月経のように定期的に抱卵し産卵をします。
抱卵した卵がお腹の中で育つのに1ヶ月ほどかかります。
カメレオンは抱卵が始まると体色が鮮やかになります。これを妊娠色と言います。
我が家のエボシカメレオンはオレンジとティファニーブルーの斑点が浮かんできました。
食欲の低下
妊娠色が出始めて最初の2週間は普段と変わらず餌をたくさん食べていましたが、産卵2週間前から食欲が徐々に落ちてきました。
産卵前の1週間はほぼ何も食べなくなり、産卵が終わった後もしばらくは食欲が回復しませんでした。
抱卵機に入ったと思ったら食欲のあるうちに多めに餌を与えるようにしてください。
カルシウム不足
卵の殻の生成に大量のカルシウムを消費するので、しっかり餌にカルシウム剤のダスティングをしてください。
妊娠色に気が付いたら食欲があるうちに餌の頻度と量を普段より増やしてとにかくしっかりと食べさせることが大事です。
カルシウムの代謝を促進するために日光浴の頻度も増やすようにしてください。
1回30分程で構いません。
紫外線ライトとは比較にならないほど太陽光からは多くのUVBを吸収できるので、なるべく窓ガラス越しではなく直射日光が当たるところへ移動させましょう。
産卵床
エボシカメレオンは地表まで降りてきて土に穴を掘り産卵します。
飼育下でも産卵の為に土を用意してあげましょう。
たまたま行きつけの爬虫類ショップでカメレオンの繁殖をしているブリーダーさんにお会いする機会があり、その方から教えていただいた自宅でできる産卵方法をご紹介します。
産卵時期が近づくとケージの下に糞と一緒に卵が落ちていることがあるので、それを目安にしてください。
用意した衣装ケースに土を高さ20cm以上になるよう敷き詰めて産卵が完了するまで入れっぱなしで大丈夫です。
カメレオンは夜中から明け方に産卵することが多いので、夜は必ず衣装ケースに入れておくようにしましょう。
産卵期は普段以上に警戒心が高まるので、なるべく人目のつかないところに衣装ケースを置きます。
土にはこまめに霧吹きをして衣装ケース内の湿度を保つようにしましょう。
この時全体に散水せず、土が湿っている所と乾いている所を作るようにしてください。
産卵する場所の湿り具合の好みが個体によって違いがあります。
バスキングライトは熱くなりすぎるので使わず、なるべくエアコンを使って室温を管理をしましょう。
衣装ケースに移すと水やりが大変になってきます。
ドリッパーを使うと土が泥になってしまうので、なるべくスポイトで直接与えるようにします。
産卵
我が家では衣装ケースに移して最初の数日は卵がポロポロと土の上に数個落ちているだけで、穴を掘って本格的に産卵行動する様子はありませんでした。
衣装ケースに入れて1週間ほどしてようやく穴掘り開始。
2日間くらいは色々な場所に穴を掘っていましたが、気に入らなかったのか産卵しませんでした。
3日目の夕方から本格的に穴掘りを始めて、お気に入りの場所が見つかったようでした。
次の朝見てみると頭まで土と泥だらけな姿を見て無事終わったのだと思い安心しました。
ケージから出して軽くお湯で全身を洗ってあげて、元のメッシュケージに戻してあげました。
産卵後
衣装ケースの中の土を掘り返してみると全部で34個の卵が出てきました。その前からもポロポロと卵が漏れていたので、全部合計すると40個以上の卵があんな小さい体から出てきました!
しかし産卵は終わってから2日経っても食欲が戻らず体色もまだ元に戻っていないので、もしかしたら卵がまだ体内にあるかもしれないと思い再度動物病院で診てもらいました。
結果はレントゲン・超音波とも卵らしい影はもう無さそうということで一安心。
一度強制給餌で無理やり餌を食べさせたら、その後はすぐに食欲が回復しました。
ちなみに体色が妊娠色のままなのは、産卵直後から連続で抱卵を始める可能性は十分にあり得るそうです、、、
カメレオンは抱卵数の多さから卵が体内に残ったままになる卵詰まりを起こしやすく、それが致命傷となってしまうことが多いそうです。
心配な方は産卵後の動物病院の受診を強くお勧めします。
まとめ
カメレオンの産卵は毎回命がけで飼い主の私たちもハラハラしてしまいます。
最後にカメレオンの産卵を無事に終わらせる裏技(?)として聞いた話を共有します。
抱卵初期のメスにオスをあてがって有精卵にすると卵の殻の強度が上がって産卵がスムーズになるらしいです。
繁殖目的でなければ有精卵を破棄するのは少し心が痛みますが、ペアで飼っている方は試してみるといいかもしれません。
とにかく無事安全に産卵させてあげられるよう準備することが大切です。
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